Blogista

LoLをしながら社畜しながら生き抜く話

マダム・ジーナに会いに行こう。

 ライブに行きたい。と最近思うようになった。

 

 

 きっかけ

 何かこう、「土日何やっていたの?」に対してさらりと「ライブ行ってたんです。」と答えられる社会人って、いかにもリア充っぽくて重めの本の角で後頭部を強打したくなりません?

これまでの人生で行ったことのあるライブは両親に連れられて行った松任谷由実のコンサートだけだ。バブルが弾けきる前だったこともあり、うっすらと残る記憶ではコンサート会場がプールになって、バックダンサーならぬバッグシンクロナイズドスイマーが泳ぐ中で歌うユーミンの姿しか覚えていない。今思えば結構金のかかったステージだったな...。

 

 違うんだ。俺が行きたいのはBRADIOとかBump of chikenとかEGO-WRAPPIN'のライブなんだ。ここはちょっぴり一念発起して、ちょっとライブを観に行こうじゃないか。そりゃ名案だ。これで俺は「定時で帰ることができないハゲ」から「週末はライブを観に行くハイカラなハゲ」へジョブチェンジだ。なんてことを考えながら日曜の夜にちょっとお酒を飲みながらチケットセンターのサイトをザッピングしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日手元には一通の確認メールが届いていた。

加藤登紀子 ほろ酔いコンサート」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………。

( ◠‿◠ )WTF ???????????????????

 

 

 

 

 

加藤登紀子さんについて

 加藤登紀子さんを分かりやすく説明すると、戦後から学生闘争、そして今日までの激動の時代を歌と一緒に生き抜いた歌手の一人である。「紅の豚」のマダム・ジーナの声優及び劇中歌、エンディングを担当していたと言えばピンとくる人も多いだろう。

 

 「いやいやお前ライブ行きたい言うとったやんけ」等のお声も最もなのだが、一応これにはそれらしい流れがあってのことなので怒らないで欲しい。というのも、先ほどあげたバンドを聞くうちに学生の頃聞いていた懐メロ巡りの旅が始まってしまい、最後は幼少期まで遡ることになった。

 

 自分の祖母は近所で演歌を少し嗜んでおり、家には当時ではめずらしくカラオケマシーンが置いてあった。CDどころかカセットもまだ普及しておらず、天童よしみから戦時中の歌、何故かセーラームーンまで幅広い楽曲の円盤が並んでいた。

それらの中に「百万本のバラ」なる歌があったのだが、この曲がまぁ素敵な歌詞で、子供ながらに大層気に入った自分はよくこれを歌っていた。

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元々ロシア民謡だったこの曲を日本語で歌いヒットしたのが加藤登紀子さんである。

ただしカラオケは歌詞がついていないので、当時は大好きな曲だったのに人本人が歌っている所を聞いたことがなかった。

 

 「せっかくなら今しか会えない人に優先的に会いに行こう」とミッシェルガンエレファントの解散ライブ映像を見て以来心に決めていた自分は、京都で人生2度目のライブを、幼少期聞けなかった歌を聞くために参加することにした。

 

ライブの様子

客層

とにかく女性が多かった。行く前は何なら自分以外は全員老人世代の人間ではないかと不安に思ったが、若い世代の人も結構いる。

ファンの口ずさみのレベルが高い

これが一番びっくりした。半分客も内輪という感じが出ており、何人かは歌うことを得意としているような感じだったが、流石にファンに歌うパート中で自然とハモりが飛び出てくる事態にはビビった。

酒が飲める

「ほろ酔いコンサート」と題するだけあって、月桂冠からふるまい酒が出ていた。コンサート中に酒飲めるんだ....と感心していたが、それだけではなかった。

何と加藤登紀子さん本人がコンサート中に酒を飲むのである。しかも日本酒をがぶがぶ飲む。最後は楽器の演奏者もかたっぱしから酒を飲んでもうよく分からない様子だった。

 

ちなみに紅の豚の劇中歌である「さくらんぼの実る頃」は演奏されなかった。少し残念。

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今の世代の人らは名前すら知らないかもしれないけれど、とにかく賢く、思想や政治に関する対談もいくつか残っている。夫が学生運動の指導者的な立場だったり、警官をグーパンしたりして刑務所に入り、そのまま獄中結婚したりと激動の人生を送っているためか、歌詞も現実に即したものが多く、ほとんど空想な歌詞を使わない。

 

流行りの音楽も良いけれども、たまには聞いてみてはどうだろうか。